作品解説/《幸せな結末》
《幸せな結末》
1996年、パレーノはストックホルムでの個展に際して、あるランプを展示しました。それは、会場となったギャラリーの所在地に建設予定であったものの結局は実現しなかったホテルのためにデザインされたもので、この作品がシリーズの出発点となりました。
ランプの電源は巧妙に隠され、一見するとプラグは接続されていないにもかかわらず、なぜか明かりが灯っているという不思議な光景がつくり出されました。本展においても、電源につながれていないように見える2つのランプが、互いに会話しているかのように、あるいは自らの分身に語りかけるように不規則に点滅し合い、現実の制約を離れたおとぎ話のような場面が展開しています。
Happy Ending
In 1996, Parreno’s solo exhibition in Stockholm featured a lamp, initially designed for a hotel that was planned for the gallery site but never built. This marked the start of a series.
The lamp’s power source was ingeniously hidden, creating the illusion that it was not plugged in and yet somehow lit. Here, two lamps, similarly appearing disconnected from any power source, glimmer irregularly as conversing together or speaking to their own doppelgangers, presenting a scene like a fairy tale untethered by the bounds of reality.