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レオナール・フジタと旅/「旅の時代」へ - 写真家としてのフジタ
1931年、パリを離れて南米へと旅立ったフジタは、現地の風景や風俗における強烈な色彩に感化され、市井の人々の姿を色彩豊かに描きながら中米から北米へと歩を進めました。
その後、太平洋を渡り日本へとたどり着いたフジタは、まさに息つく暇なく東北や沖縄をはじめとする日本各地、そして日本が新たに進出した中国大陸へと旅をつづけます。
フジタは旅の先々で現地の人々の営みや民族衣装、調度品、建物などに興味を抱き、しばしばそれらをファインダー越しにとらえました。フジタの終の住処となったヴィリエ=ル=バクルの住居兼アトリエには2,000点以上のネガフィルムが保管されていますが、その中から1930-1940年代に撮影された写真を厳選してご紹介します。