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色彩への旅/Ⅱ 中南米への旅 -色彩との邂逅
アメリカに始まる世界恐慌をきっかけとして、芸術の都パリにも時代の閉塞感が強まりだすと、フジタは「南米の大空を心行く迄吸って晴々」することを目的として、4番目の妻となるマドレーヌ・ルクーとともに中南米へ旅立ちました。
ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、メキシコなどを巡り、強い陽光のもとで輝きを放つ大地と自然、民族衣装をまとった現地の人々や土着の風俗、芸術に触れたフジタは、それらのあざやかで濃密な色彩に目を奪われます。これまでにない視覚体験を得たフジタの画面には、強烈なあざやかさと重厚なマティエールが表れるようになります。