作品の保存管理について
ポーラ美術館は、美術作品を収集し、貴重な文化財として永く保存するために、最適な保存環境を維持するよう努めております。当館は設立段階より、箱根固有の自然と共生しながら作品の適切な保存管理を行うために、1)地震に強い建築、2)清浄な空気環境設備、3)展示と保存を両立させる照明計画、4)水を使わない消火設備、5)環境にやさしい防虫管理計画を実施しております。
01
地震などに強い建築
ポーラ美術館は全館免震構造を採用しています。
また、すり鉢状のコンクリートの土台におさまるように建てられています。
地上部分を周囲の木の高さより低くすることで景観に配慮しているほか、建物と地面(土)とが直接触れないこの構造は、湿気や虫害の影響を抑えることにもつながっています。
地上部分を周囲の木の高さより低くすることで景観に配慮しているほか、建物と地面(土)とが直接触れないこの構造は、湿気や虫害の影響を抑えることにもつながっています。
02
火山性ガスをとりこまない空気環境整備
全ての展示室と収蔵庫の空調を24時間管理しており、美術作品の保存管理に最適な温度と湿度が保たれています。また、空調設備には火山性ガスを除去する化学フィルターを設置し、清浄化された外気を供給するシステムを導入しています。また、一定の濃度以上の火山性ガスを感知すると、自動的に外気を遮断します。
03
「展示」と「保存」を両立させる照明計画
ポーラ美術館では、「展示」と「保存」を両立させる照明設備を採用しています。作品鑑賞のための光環境の向上や展示空間の演出ばかりでなく、作品の保存管理の観点から、照度(明るさ)と色温度(色味)を調整することで適切な照明を設定しています。
美術作品には光や熱に弱く、色があせたり、変わる場合があります。特に日本画、パステル画、水彩画、版画などの紙作品は光に弱いため、特別な配慮が必要です。当館では、美術作品に有害な光線と熱をカットする照明機器を採用しています。作品の素材によって適切な照度(明るさ)を調整するとともに、展示期間にも配慮して展示しています。
美術作品には光や熱に弱く、色があせたり、変わる場合があります。特に日本画、パステル画、水彩画、版画などの紙作品は光に弱いため、特別な配慮が必要です。当館では、美術作品に有害な光線と熱をカットする照明機器を採用しています。作品の素材によって適切な照度(明るさ)を調整するとともに、展示期間にも配慮して展示しています。
04
水を使わない火災設備
火災が起きた場合、水を使用する消火活動(スプリンクラーによる消火)は作品に損傷を与えてしまいます。
そのため、窒素性ガスによる消火設備を採用しています。
そのため、窒素性ガスによる消火設備を採用しています。
05
環境にやさしい防虫管理計画
箱根の自然との共生を目指すポーラ美術館では、全館を対象とした粘着トラップ設置による侵入経路特定や外部から虫を誘引する原因となる紫外線をカットした照明、バグバンパー(昆虫忌避材を練りこんだ虫返し)の設置などによって、可能な限り虫を殺さずに、「虫を侵入させない」、「虫を発生させない」環境管理を実施しています。関連記事はこちら