モネとマティス―もうひとつの楽園
19世紀から20世紀にかけて、急速な近代化や度重なる戦争といった混乱した社会状況のなか、「ここではないどこか」への憧れが、文学や美術のなかに表れます。なかでもクロード・モネ(1840-1926)とアンリ・マティス(1869-1954)は、庭や室内の空間を自らの思うままに構成し、現実世界のなかに「楽園」を創り出した点において、深く通じ合う芸術家であると言えます。モネは19世紀末、近代化するパリを離れ、ジヴェルニーに終の住処を構えます。邸宅の庭で植物を育て、池を造成し、理想の庭を造りあげたモネは、そこに日々暮らしながら、睡蓮を主題とした連作を制作しました。一方、南仏に居を構えたマティスもまた、テキスタイルや調度品を自在に組み合わせ、室内を演劇の舞台さながらに飾り立てて描きました。こうしたモティーフは、南仏の光とともにマティスのアトリエと作品を彩ったのです。
モネの庭とマティスの室内。彼らの「楽園」は、欠くことのできない主題であると同時に、制作の場であり、生きる環境でもありました。本展覧会では、ふたりの芸術家がいかにして「楽園」を創りあげ、作品へと昇華させていったのかを検証します。 国内借用作品約30点を含むモネとマティスの作品約70点に、当館コレクションのなかから関連作家の作品約20点を加え、約90点をご紹介いたします。
■「モネとマティス-もうひとつの楽園」展 見どころ解説動画(全4編)
■ポーラ美術館「モネとマティス-もうひとつの楽園」展 オンライン・エディション
第一部 記念講演「花の行方-1900年代のモネとマティス-」六人部昭典(実践女子大学教授)
第二部 展覧会解説「モネとマティス-もうひとつの楽園」工藤弘二(ポーラ美術館学芸員)
開催日時:2020年9月15日(火)正午 配信開始
配信:アンスティチュ・フランセ日本公式Youtubeチャンネル
言語:日本語
主催/共催:ポーラ美術館/アンスティチュ・フランセ日本
主催: 公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本