美術をじっくり楽しむプロジェクト 「07 ちかづく」
「絵をみるって、むずかしい?」
「じっくり/JIKKURI」は、美術をより楽しんでいただくためのプロジェクトです。
美術にはいろいろな楽しみ方があります。
数ある楽しみ方のうちのひとつを提案するために、鑑賞ツールやディスプレイをひと工夫することで、作品をみる「きっかけ」を用意しました。
知識によって作品を鑑賞するよりもいつのまにか作品の魅力に引き込まれるように鑑賞できるような空間を目指した展示スペースです。
じっくり07 ちかづく
作品にちかづき、細部に目をこらすと、まるで虫めがねや顕微鏡をのぞいたときのような、いつもとは違った光景が視界に広がります。
そこには、たくさんの色や筆致が溢れています。「じっくり07 ちかづく」は、細部に注目することで、作品のミクロの世界に広がる色やかたちを体験し、作品の細部が持つ魅力を味わっていただく企画です。
楽しみ方
今回注目するジョルジュ・スーラは、当時の最新の色彩理論に基づいた新しい絵画を探究した新印象派の画家です。彼はさまざまな色の点のような筆触を並べることで、明い画面をつくりだしました。
ここでは、スーラの《グランカンの干潮》の画像を拡大し、12ピースからなる大きなパネル製パズルにしました。 それぞれのピースにある、色やかたちの微妙なちがいを手がかりに、パズルを完成させると実際の4倍の大きさに拡大された作品が現われます。画面を覆うさまざまな色やかたちの点描を、クローズアップした視点でご覧いただけます。
また、スーラの綿密に計算された点描の配置を体感していただけるタッチパネルディスプレイもご用意しました。
作品に描かれたさまざまな色の点描をデジタル技術を用いて12色に分解したもので、タッチパネルで自由に色を選び、選んだ色の点描だけでできた作品を表示させることができます。