マルケは、1920年に初めてアルジェリアに訪れた。この時、後に妻となるマルセル・マルティネに出会った。マルケは毎年、冬になると、避寒と戸外制作のために、パリを離れ、アルジェの妻の家族のもとにやって来た。≪アルジェの領事館≫では、海に面した領事館を画面の中心に据え、左に白いモスクを描いている。≪アルジェリアの港≫(1924年頃、ポーラ美術館蔵)は、アルジェのレピュブリック通りにあるロイヤル・ホテルのテラスから見た港の風景を、マルケが得意とした俯瞰の構図でとらえた作品である。(『モネと画家たちの旅』図録、2007)