坐る女

  • 作家名 パブロ・ピカソ
  • 制作年 1921年
  • 技法・素材 油彩/カンヴァス
  • サイズ 33.2 x 24.2 cm
古典古代の造形に傾倒したピカソは、1920年代初頭に泉に集う古代ギリシア風の女性像に取り組んでいます。本作品は、この主題を描いた大作《泉のほとりの3人の女》(1921年、ニューヨーク近代美術館蔵)の習作の一つです。1921年のパリ近郊のフォンテーヌブローでの制作は、実に多様なものでした。「美しい水の泉」を語源とするといわれるこの地では、泉や母子像をテーマにした古典的な主題の作品群のほか、その対極ともいえる人物像を徹底的に抽象化した「3楽士」のシリーズを生み出しています。ピカソはアテネにあるパルテノン神殿のフリーズ(破風彫刻)のレプリカを所有していたことが知られており、この坐る女の図像には、パルテノン・フリーズの図像から派生した《フィリスの墓碑》(紀元前430年頃、ルーヴル美術館蔵)などの古代ギリシアの墓碑彫刻の影響が認められます。