水の妖精文鉢

  • 作家名 エミール・ガレ
  • 制作年 1884-1889年
  • 技法・素材
  • サイズ 高5.7 径12.4 cm
フランス文学史上、最高の抒情詩人と呼ばれるフランソワ・ヴィヨンの詩「昔日の美女たちのバラード」の一節を引用してデザインした一連のガラス器のひとつ。15世紀に生きた詩人のヴィヨンは、殺人事件や盗賊稼業といった無頼・放浪の生涯を送った人物でもあった。ガレはヴィヨンの詩をヒントにした連作をかなり残している。 水面から上半身を覗かせている女性はエコー。その歌声で船乗りを惑わし水中に引き込んだ魔の存在である。 鉢の内側には、淡緑色のカボションをひとつ熔着している。(『名作選』 2007)