モネ一家がジヴェルニーの村に移住したのは1883年4月のことでした。これ以来、この地はモネの終の棲家となります。ジヴェルニーの雪景色を、モネは丘の上から村を見下ろす構図で描きました。教会の三角屋根や寄り添うようにして建つ家々を覆う雪は、影の部分に青みを帯びた色彩を用いて描かれています。
モネは、数多くの雪景を残した画家としても知られています。本作品でも、モネは雪の白にさまざまな諧調を見出し、その微妙な違いを見事に表現しています。ノルマンディーとイル=ド=フランスの境に位置するジヴェルニーの冬の積雪はそれほど多くありませんでした。それを不満に思っていたモネは、1895年にノルウェーを訪れ、冬の国の白銀の世界を描いています。