12月2日(月)~13日(金)まで臨時休館いたします
本作品は、17世紀スペインを舞台とした、18世紀フランスの劇作家ル・サージュの小説『ジル・ブラース物語』(全12巻、1715-1735年)の序文の逸話を題材にしている。二人の学生がスペインの古都サラマンカに向かう途中、碑文を記した石を発見し、一人は笑って去り、もう一人は碑文の内容通り石の下から金貨を発見するという話は、この物語を注意深く読めば、そこに隠されている教訓から読者は多くを得られることを示唆している。森の奥に広がる美しい風景は、マネ家が別荘を所有していたパリ近郊のジュヌヴィリエに近い、サン=トゥアンで描いたスケッチをもとに描かれたと思われる。マネは物語の舞台となるスペインの風景を、身近な風景を取り入れて創り上げている。彼が実際にスペインを訪れたのは1865年であった。(『モネと画家たちの旅』図録、2007)