モネは、1883年の4月末、パリの北西70km、セーヌ河の渓谷とエプト河の合流点に位置する小さな村ジヴェルニーに転居します。そして、1884-1886年に、家の南に広がる牧草地に積み上げられた麦藁の山を描きました。本作品を含む8点の作品を制作しています。三つの積みわらの後ろには、ポプラ並木がみられます。この作品では、日常的な風景に明るく降りそそぐ光を、明暗の強いコントラストで表現しています。モネは、描く対象を限定し、構図も単純化したうえで、光の効果の探究を行っていますが、この作品でもそのような特徴がみられます。限られたその後、モネは脱穀前の麦穂を積み上げた紡錘形の積みわらをモティーフに、さまざまな天候や時間によって変化する光のもとで、あざやかな色彩で描いています。そして1891年5月、モネは15点の「積みわら」の連作をデュラン=リュエル画廊で発表し、大成功を収め、連作の時代に入ります。