鮮やかな青緑色の背景に、一羽の鳥が岩の上にとまり、傍らに桔梗の花が群れ咲いています。桔梗は６月から９月に星形の紫の花をつける多年生の植物です。あらゆる角度からとらえられた花弁の形には杉山の高い写実性がうかがえます。また、ここに描かれた鳥は、尾長という体長２０センチほどの野鳥であり、灰青色の長い尾を特徴とする種です。渡り鳥ではなく、ひとつの場所に定住する留鳥ですが、明るい背景のなか季節を示す桔梗と組み合わせることで、爽やかな夏のひとときを感じさせています。