「テイ」は「幸せ」「よろこび」「やすらか」を表わす。二羽の白孔雀が、赤みがかった紫とターコイズブルーの色面を背景に佇んでいる。手前の孔雀は尾の短い雌で、奥の孔雀は華麗な尾羽を伸ばしている雄であるから、二羽はつがいの鳥であろう。仲むつまじい姿から、題名の表わす幸福感が理解できる。白孔雀はインドやネパール、パキスタンに分布し、日本国内には生息しないため、動物園で目にするのみである。本作品で描かれているように頭部には冠毛がある。二羽の鳥は杉山により他の鳥を描いた作品同様、直角に配置され、円環をなす背景と相まって、現実と遊離した絵画空間を演出している。