ポーラ美術館の歴史

1929年の創業以来、ポーラは人の美・人の粧いを見つめ、最高の美を探求しています。美と文化を次世代に繋ぐ文化活動のひとつが、ポーラ美術館です。美術コレクションは、ポーラ創業家2代目 故・鈴木常司が40数年にわたり収集したものが中心です。さらに、若手作家の支援、調査研究の推進、美術を通じた国際交流を行なっています。

創設者 鈴木常司について

鈴木常司(1930-2000)

1930年、化粧品の研究・製造・販売を扱うポーラを創業した鈴木忍の長男として静岡に生まれた鈴木常司は、大学卒業後に経営学を学ぶため渡米するものの、父の急逝により7カ月で帰国し、その後約40年間にわたってポーラの社長を務めました。
鈴木は「美の健康の事業を通して、豊かで平和な社会の反映と文化の向上に寄与する」という企業理念を掲げ、1996年、財団法人(現在は公益財団法人)ポーラ美術振興財団を設立し、理事長に就任。自身のコレクションを展示・公開する美術館の建設を進めていましたが、開館を待たずして2000年に亡くなりました。

鈴木が収集を始めた初期は、日本の近代洋画やフランスの現代絵画を購入していましたが、1980年代後半に静岡でコレクションを一部公開する機会を得て美術館建設の構想を持ち始めた頃から、その後印象派や20世紀の西洋絵画、大型の絵画の収集を進めていきました。特定のアドバイザーを持たなかった鈴木は、美術の専門書によって独学で美術史を学び、その知識を収集に活かすことで19~20世紀の西洋・日本美術の歴史を追うことのできる体系的な西洋絵画コレクションを作り上げました。

沿革

  • 1929

    ポーラ創業

  • 1976

    ポーラ文化研究所 設立

  • 1979

    ポーラ伝統文化振興財団 設立

  • 1996

    ポーラ美術振興財団 設立

  • 2000.04

    箱根仙石原にポーラ美術館着工

  • 2002.05

    ポーラ美術館 竣工
    博物館法の定める博物館として登録

  • 2002.09

    ポーラ美術館 開館

  • 2012

    開館10周年
    箱根の自然とより親しめるよう「森の遊歩道」を開設

  • 2014

    体験型プロジェクト「JIKKURI/じっくり」開始

  • 2017

    開館15周年
    現代美術作家の活動を紹介する「アトリウム ギャラリー」を新設
    若手の現代作家を紹介する「HIRAKU Project」開始

  • 2018

    ビジネスのためのアートワークショップ 開始

  • 2019

    コレクションと現代美術を組み合わせた、「シンコペーション」展 開催

  • 2021

    当館初の現代作家の個展、「ロニ・ホーン」展 開催