エミール・ガレ―自然の蒐集
ポーラ美術館では、開館以来初となるエミール・ガレ(1846-1904)の展覧会を開催いたします。フランス語で「新しい芸術」を意味する「アール・ヌーヴォー」が流行したのは、19世紀末のことです。自然の有機的な形態を着想源とした曲線をふんだんに用いたこの芸術様式において、ガレはガラス工芸の分野で第一人者として活躍しました。
植物学や生物学をはじめとする博物学的な知識と卓越した技術を駆使して、傑出した芸術作品を次々と生み出したガレ。自然界に存在するさまざまなかたちを見つめ、植物や昆虫、動物、そして海の生物といった数多くのモティーフを意匠化したガレの芸術制作は、自然を蒐集するコレクターになぞらえることができるでしょう。
とりわけ植物の研究に取り組んだガレは、植物や昆虫のすみかである「森」を生命の象徴として捉えていました。また、19世紀後半は海洋学が進展した時代であり、「海」の生態についての関心が一層高まりを見せます。「森」と「海」というふたつの主題は、ガレが晩年に傾倒した象徴主義の文学や芸術にも深く関わっていました。
本展では、初期から晩年までのガレの優品を辿りながら、芸術家の創造の源泉であった「自然」を、「森」と「海」というふたつの視点から紹介します。
■さかなクン1日館長&トークイベント「さかなクンのギョギョッとアートなトークショー」
日時:3月24日(土)13:00~14:15
講師:さかなクン(東京海洋大学・名誉博士/客員准教授)
場所:ポーラ美術館 B1F カフェ「チューン」特設会場
■記念講演会
「エミール・ガレの博物誌」
日時:4月7日(土) 14:00-15:30
講師:西野 嘉章(東京大学総合研究博物館インターメディアテク館長)
会場:ポーラ美術館 講堂
■トークイベント「植物が人を虜にする理由」
日時:2018年5月5日(土)14:00-15:30
講師:小田康平(叢/Qusamura(くさむら)」店主)
場所:ポーラ美術館
■ギャラリートーク
日程:2018年4月21日(土)、5月26日(土)、6月16日(土)、7月14日(土)
時間:各回 14:00~14:40
■「19世紀の芸術家 エミール・ガレが愛した海」展
開催期間:2018年 3月 17日(土)~ 7月16日(月・祝)
会場:下田海中水族館内「シーパレス」特別展コーナー
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
特別協力:東京大学総合研究博物館